仕事上の「産みどき」なんて、あるの?

先日NHKで放送されたクローズアップ現代は「卵子の老化」。
内容はこちらにありますとおり、加齢に伴って卵子が老化し子どもができにくくなりますよ、というお話だった…らしいです。

らしい、というのは実は私も見ていない。

しかし、ツイッターでは一時ホットワードとして「卵子」があがるなど、話題沸騰だったようです。


この番組に伴い、あがってた意見に、「若い方が妊娠出産しやすいのは分かる。でもだからって、1、2年目とかの仕事覚えてないうちに産んだ人に復職されても、できることが限られすぎていて周りが困る」というようなものがありました。

そ、そうか・・・

入社4年目で出産した人間にはぐさっとくる一言です。

うーん、でも、どうなんでしょう。

20代で出産すると、「仕事も覚えてないのに困る」と言われ
30代で出産すると、「リーダー経験や後輩指導をさせたいのに困る」と言われ
40代で出産すると、「重要なポストについてるのに困る」と言われる。

つまり、いつ産んでも「困る」って言われるんじゃないでしょうか?


それはそうです。だって、現状、「キャリア」と呼ばれているものの形成手段としては長時間労働が前提であり、同じように長時間労働(?)である「育児」とは、どうしたって相容れないものだからです。

出産育児の好適年齢と、「キャリア」形成好適年齢とは完璧に重なっているわけで、今までそれがどうして成り立ってきたかと言うと、言うまでもなく、「キャリア」を形成する人間と育児をメインで担う人間が、同一人物ではなかったからです。

がーん。

じゃあ無理ねってことで退職…ということになると、しかし、今度は、「ここまでお前を育成するのにどれだけコストがかかってきたと思うんだ」と批判されます。

じゃあ産まないってことにすると、「子どもはどうするの?卵子老化するわよ」って言われます。

これ、どんだけ罰ゲームなんでしょうか。

したらもう、空気なんて読まずに、自分の好きなときに産む/産まないのが、最終的な人生満足度は高いんじゃないかって感じがしてきます。


ちなみに、この番組の感想としては、こちらにあるように、

女性には、男性とは違うライフ&キャリアプランニングが必要

ってな意見もありましたが、私はそれはすっごくおかしいと思います。

男性の子育てタイミングは、考えなくてよいのでしょうか?男性だって、子育てにかかわる権利と義務を有しています。

たしかに、現状、キャリアか子どもかの選択を迫られているのは大半が女性です。でも、その状態がヘンなのです。

子育てのことなんてなーんにも考えられていない今の労働環境がおかしいのだけれど、それは女性固有の問題ではありません。


妊娠出産育児のこととなると女性の問題、って扱うのはもうやめてほしいです。人間は、無性生殖してるんじゃありません。